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軽度認知障害(MCI)

「最近物忘れが多くなって、認知症かしら」と自覚したり、家族や知人から認知症を疑われたり性格・行動異常を指摘されるようになったりして、外来に受診される方は多くいらっしゃいます。
まずは、脳に異常がないかどうかの確認を行います。

脳卒中(脳梗塞や脳出血)でも、脳腫瘍や外傷性出血でも、認知症のような症状が出ることがあるからです。治療できる疾患が隠れている場合は、疾患に対する治療が優先されます。
治療できる疾患がない場合は、アルツハイマー型認知症などの認知症かどうかの検査を行います。
一般的には、口頭にて質問をして答える形式の対座法で行い、点数化します。
認知症にあたる場合には、認知症の分類を行い、症状に対して適切な治療薬の選択となります。
重症の精神症状を伴う場合には、精神科の先生の協力のもと、診療を進めていくこととなります。

「脳の機能が健常な状態」と「認知症」の中間の状態を、軽度認知障害(MCIエムシーアイ:Mild Cognitive Impairment)といいます。
MCIと判断されても、その後認知機能が戻る場合も一部みられますが、年間5~15%の方は認知症に進んでしまうと言われています。
より早期に発見し、対策を行うことで、改善させたり発症を遅らせられる可能性があります。

2023年12月から、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)や、アルツハイマー病による軽度認知症に対して、抗アミロイドβ抗体薬という新しい治療薬が開始となりました。
投与対象となるかどうは、頭部MRI画像や認知機能検査を受け、アミロイドPETまたは脳脊髄液検査を実施し、所見を確認します。
投与が可能な施設は限られており、当院では、抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ、ドナネマブ)初回投与医療機関の条件を満たしています。

軽度認知障害(MCI)

物忘れを自覚された場合は、脳疾患鑑別や認知機能精査を含め、
早期に総合的な専門的判断が必要とされます。
いつでもご相談ください。
(担当;脳神経外科 鈴木博子)

認知機能低下を予防できる対策(WHOの12項目)

認知機能低下を予防できる対策

♦ 生活習慣の改善
1. 身体活動
2. 禁煙
3. 健康的な食事
4. 多量飲酒の減量・中断

♦ その他の対策
5. 認知トレーニング
6. 社会活動
7. 体重の管理
8. 高血圧の管理
9. 糖尿病の管理
10. 脂質異常症の管理
11. うつ病への対応
12. 難聴の管理

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