脳ドック脳ドック

脳の病気

脳血管障害

くも膜下出血脳出血脳梗塞 など

脳血管障害

髄膜腫、下垂体腫瘍、聴神経鞘腫、神経膠腫、転移性脳腫瘍 など

頭部外傷

急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫、脳挫傷 など

脊椎脊髄疾患

脊髄腫瘍、脊髄外傷、脊髄血管障害、頚椎症 など

機能的脳神経疾患

三叉神経痛顔面けいれん、てんかん、不随意運動 など

感染性疾患

脳膿瘍 など

その他

水頭症、奇形 など

くも膜下出血

くも膜下出血は、突然の強い頭痛や吐き気、意識障害で発症する脳卒中の一種です。

脳は膜に保護されています。くも膜という膜の下に出血を起こした病態が、くも膜下出血です。

くも膜下出血の原因の大部分が、脳動脈瘤の破裂によるものです。脳の表面に位置する血管の分岐部には、血管の一部が膨らんでできたこぶ(脳動脈瘤)が生じることがあります。これが破裂すると脳の表面(くも膜下腔)に出血が広がり、くも膜下出血を生じます。

家系に動脈瘤やくも膜下出血の方がいるときには、発生頻度が高いと言われています。脳ドックなどで脳検査をお勧めします。

高血圧、喫煙、過度の飲酒は動脈瘤の破裂の危険因子といわれています。

くも膜下出血の診断には、CTやMRIが使用されます。微小な出血の確認には、腰に針を刺す髄液検査を行う場合もあります。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の有無について、MRAや3D-CTA、カテーテルを用いる脳血管造影検査などを行います。

出血は繰り返して起こる(再出血)ことが多く、出血した場合には、破裂した動脈瘤に対して手術を行う必要があります。しかし体の状態が極めて悪い場合には、麻酔や手術のできない場合があります。

手術は、開頭を行って動脈瘤をクリップではさんでしまう手術(クリッピング)とカテーテルを使って動脈瘤の内部にコイルを挿入する手術(コイル塞栓術)がありますが、動脈瘤の場所や形状を十分に評価した上で、手術方法を検討し、急性期の手術を行います。

手術後には脳の血管が細くなる現象(脳血管攣縮)に対する治療を約2週間に渡って行います。

さらにその後には、髄液の貯留しやすい状態(水頭症)となりやすく、水頭症の治療が必要となる場合もあります。

本疾患は緊急性も高く、生命に関わる重篤な疾患です。

当院では現在まで多くの症例を扱っており、さまざまな重傷度のくも膜下出血、多彩な性状、形状を有する動脈瘤に対応し治療を行っています。

脳出血

脳出血は脳卒中の典型例の一つです。

主として高血圧症がある人に生じ、その場合は高血圧性脳出血と言われます。

ある時、突然頭が痛くなったり、意識状態が悪くなったり、半身のしびれや片麻痺を生じる疾患で、脳内に様々の程度で出血を生じます。脳の中の障害された部位によって、症状は異なります。救命出来ない様な重篤な出血を来すこともあります。

出血が大きく、出血による脳圧迫が強い場合などには開頭手術を行うことがあります。時には定位的方法や小開頭など低侵襲的な手術法で出血の除去を行う場合があります。出血が落ち着いた状態になっても、脳の障害によって後遺症が残る場合が多くあります。長期的なリハビリが必要になる症例が、多くみられます。

脳梗塞

脳梗塞は最も多い脳卒中の形です。

脳の血管が閉塞した場合、その血管の灌流域の脳細胞に血液供給がなくなり脳細胞が死滅してしまいます。非常に細い血管が閉塞する軽度のものから、脳の半分ほどが梗塞に陥ってしまう重篤なものまで、様々の種類の脳梗塞があります。

原因により血栓症と塞栓症に分かれます。

血栓症は動脈硬化により脳の血管が閉塞するタイプであり、塞栓症は心臓の不整脈により血液の塊ができ、それが脳血管に運ばれ脳の血管が閉塞するタイプです。

年齢、既往、脳梗塞のタイプ等の限定がありますが、発症後早期に病院に到着することが大切です。現在は発症後4.5時間以内であれば、血液の塊を溶かす特殊な薬剤の投与が可能となります。閉塞した血管の状態によって、点滴加療やカテーテルの治療などが選択されます。

麻痺や言語障害が一時的に出て、その後改善する場合(一過性脳虚血発作)もあります。脳梗塞の前兆となる症状ですので、そのような場合も病院に受診ください。

慢性硬膜下血腫

硬膜とは脳を覆い保護する硬い膜であり、硬膜の下に血液が貯留した状態が硬膜下血腫です。当院では、年間70-80例の慢性硬膜下血腫の手術を行っています。

一般的な成人の慢性硬膜下血腫は高齢者に多く、頭部外傷後1-2か月かけて血腫が増大します。硬膜下の小さな静脈が破たんし、髄液を混じた血性液体が被膜を形成、被膜からの出血や炎症が関与し血腫増大するとされています。
軽微な外傷にて生じることが多く、きっかけがはっきりしないこともあります。ときに外傷ではなく生じることもあり、稀ですが癌の硬膜転移によるものもありま

血腫が増大し脳を圧迫すると、症状が起こります。症状は頭痛、嘔気嘔吐、片側に出現すれば麻痺やそれが優位半球であれば失語症、両側貯留の場合は歩行障害や認知障害、増悪すると意識障害などがあります。若年者は少量の血腫でも、頭痛や嘔気嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が起こります。高齢者の場合は脳萎縮があるため、血腫が中等量貯留してから認知障害や失禁、食欲低下、麻痺などが出現します。
急性発症の脳卒中と異なり、緩徐進行型ですので、ゆっくりと増悪する症状の場合には本疾患を疑うこととなります。注意すべき例は、大酒家、高齢(脳萎縮)、抗血小板剤や抗凝固剤内服中、透析、の患者さんです。

血腫が少量で症状を来たさない場合は、経過観察となります。漢方の五苓散や柴苓湯は、慢性硬膜下血腫の被膜形成に関与する液体貯留の軽減や抗炎症作用により、血腫を縮小させる効果があるといわれています。
血腫による症状出現が明らかな場合は、手術となります。局所麻酔下に穿頭血腫除去を行います。頭部に1ヶ所穿頭し、硬膜と血腫被膜を切開し、血腫を除去洗浄します。多くは、術翌日まで閉鎖式ドレナージを行います。被膜除去や凝固止血などの作業はありませんが、血腫腔内の洗浄を行うことで吸収治癒に向かうとされています。

手術時間は20-30分程度であり、血腫除去後減圧されると、一般に術直後から症状は改善します。翌朝ドレナージチューブ抜去後には、起きて食事をとることができます。入院後数日~1週間程度で帰宅となります。ときに難治性再発性血腫や多房性血腫の場合には、開頭となり時間を要することもあります。
術後10-20%に再発が起こるとされ、とくに脳萎縮の強い高齢者や抗血小板剤・抗凝固剤内服中の患者さんでは確率が高くなります。退院後は外来にて経過観察し、再発により症状が増悪する場合には、再手術となります。他に術後合併症としては、手術対側など他の部位の出血、感染、術後けいれん、気脳症などがあります。

高齢化社会となり、今後も症例が増えることが予想されます。タイミングよく手術をすることで、もとの生活に戻ることができる予後の良い疾患です。

三叉神経痛

三叉神経痛は、顔面の半側を刺すように強い痛みが走るのが特徴です。殊に食事をする、顔を洗う、ひげを剃る、歯磨きをする、話をする、などの行為が引き金になって、針で刺されるような強い痛みが起こります。そのままじっとしていれば痛みは数分以内に治まることが多いのですが、歯痛と間違って抜歯をされることもあります。通常の痛み止め薬では、十分な効果がなく、カルバマゼピン(商品名:テグレトール)というてんかんの薬が多く奏効します。

以前には特発性三叉神経痛といわれて、原因不明とされていました。この中に、脳の奥の所(脳幹)から出てくる三叉神経が、その根元の部分で血管や脳腫瘍によって圧迫され、三叉神経痛を起こしているものが多くあることがわかってきました。この圧迫を取り除くことで痛みが改善されることもわかり、その手術法(神経血管減圧術)が開発されました。

各種治療法について

ブロック療法

一種の麻酔薬による注射療法です。麻酔科で三叉神経をねらった特殊な注射を受けます。三叉神経は知覚を伝える神経ですので、この注射により顔面の半側の感覚の麻痺が生じてしまいます。薬の効果が切れたところで、注射を繰り返して行くことになります。

ガンマナイフ療法

一種の放射線療法です。特定の部位へ放射線を集めて治療するために、治療の前に、頭に枠をつけてMRI検査を行います。この検査データを基にして、三叉神経へ放射線を照射するものです。長期的な効果や合併症などの問題点についてはまだ十分にわかっていません。

手術療法

痛みのある側の耳の後に皮膚切開を置き、10円玉から500円玉程度の大きさの穴を頭の骨に開けます。この穴から、手術用顕微鏡を通して、脳の奥を覗き込み、三叉神経を圧迫しているものを探し出します。多くは血管であり、これを神経から遠ざけるような処置をすることで、三叉神経痛の原因を取り除いてしまう方法です。一般に輸血は不要で、翌日から食事を取ることが可能です。手術が奏功した場合には、痛みは劇的に消失し、再発の可能性もなくなります。
ただし、手術には、一般に次のような合併症や副作用の可能性があります。術後感染、術後出血、脳脊髄膜炎(脳膜炎)、肺炎、髄液耳漏、髄液鼻漏、耳鳴り、めまい、聴力低下など、一時的な症状ですむものが多いものの、脳虚血、脳損傷などが加わり、生命への危険性を有する場合も起こりえます。

以上の各種治療法を検討したうえで、治療法を選択していただきます。
三叉神経痛は、一般にそれだけでは命に関係するものではありません。しかしながら、強い三叉神経痛に悩まされている人にとっては、日常生活そのものが苦痛であり、すぐにでも何とかして欲しいとの要望が強く出されます。手術では、時に生命に影響する可能性がありますので、十分にご家族の方々ともご相談なさってください。

手術について

手術は全身麻酔にて行われます。
手術前日の夕食までは、普通に食事をしていただきます。
翌日の朝食は食べられませんが、午前10時までは飲水可能です。この間のテグレトールの内服も可能です。10時から点滴を開始し、午後1時30分頃に手 術室に行きます。
その後、麻酔医により、全身麻酔がかけられます。
手術は2~3時間で終わりますが、麻酔を覚ますことや術後経過を安全に監視する目的で集中治療室(ICU)へ移り、翌朝までを過ごします。
手術が終わり、患者さんの様態が安定したところで、ご家族へ手術の様子などを説明します。その後に患者さんとご家族の面会を予定しています。
手術の翌朝より食事は可能ですが、念のため一般に昼食より再開しています。
経過にもよりますが、術後数日から1週間前後での退院が一般的です。その後は外来通院で経過をみます。

顔面けいれん

症状:軽いうちは片方の瞼の下の方が勝手にピクピクと動くことが多く、次第に口の周囲にまでピクつきが拡がります。強くなると顔の半分が恒に片方へ引きつられたままになってしまいます。当初は軽度であり、症状が出たり、止まったりすることもありますが、通常は進行性であり、放置していては改善しません。中年以降の女性に多く、美容的な問題に影響しますが、痛みはありません。また、生命的な危険性はありません。

原因:顔面神経が脳から出た直後の所で、何かに圧迫されるなどの刺激を受けると、けいれんを起こしやすいことがわかっています。この圧迫の原因としては、動脈硬化を起こして屈曲した血管や脳腫瘍などが考えられます。事実その多くは、動脈硬化を起こした血管が原因となっています。

検査:診察の上で、MRI検査を行います。まれに脳腫瘍などが見つかることもありますが、通常は動脈硬化を起こした血管による顔面神経圧迫であり、術前検査として、MR血管撮影なども追加されます。

治療方法

以下のようにいくつかの方法がありますが、根本的な治療法は、手術以外にありません。

薬の内服

抗てんかん薬、精神安定剤など
簡便な方法ですが、効果は限定的であり、根本的な治療法ではありません。

注射

ボツリヌス毒素の局所への微量注入
けいれんしている筋肉にボツリヌス毒素の微量を注射することで、一時的にけいれんを抑えます。注入量によっては、効果が不十分になったり、効きすぎて顔面の麻痺が生ずることもあります。効果は長くとも3~4ヶ月間で消失しますので、年に3~4回の注入が必要です。

神経ブロック療法

神経にアルコールを注入して、神経を麻痺させる方法です。軽度の麻痺を起こさせることが目的ですが、強すぎると顔面の麻痺がおこります。数ヶ月程度での再発もありえます。

手術

患側の耳の後ろの頭蓋骨に10円硬貨大の穴を開け、その深部にある顔面神経の脳からの出口に達し、神経を圧迫している血管を見つけます。血管が神経に与える圧迫を取り除くことができれば、けいれん症状は消失します。

手術について

手術は全身麻酔にて行われます。
手術前日の夕食までは、普通に食事をしていただきます。
当日の朝食は食べられませんが、午前10時までは飲水可能です。この間の内服も可能です。10時から点滴を開始し、午後1時30分頃に手術室に行きます。その後、麻酔医により、全身麻酔がかけられます。
手術は2~3時間で終わりますが、麻酔を覚ますことや術後経過を安全に監視する目的で集中治療室(ICU)へ移り、翌朝までを過ごします。
通常、輸血の必要はありません。
手術が終わり、患者さんの様態が安定したところで、ご家族へ手術の様子などを説明します。その後に、集中治療室内で、患者さんとご家族の面会を予定しています。
手術の翌日より食事は可能です。
経過にもよりますが、術後数日から1週間前後での退院が一般的です。その後は外来通院で経過をみます。動脈硬化の原因となる、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙、ストレスなどへの対応も必要となります。

顔面けいれんに対する治療としては、手術療法が、原因に対する根本的な治療ではありますが、手術には、一般に次のような合併症や副作用の可能性があります。可能性は低くとも重要なことですので以下に記載します。
{術後出血、術後感染、脳脊髄膜炎、肺炎、髄液耳漏、髄液鼻漏、耳鳴り、めまい、聴力低下など、一時的な症状ですむものが多いものの、脳虚血や脳損傷などを生じ、生命への危険性を有する場合も起こりえます。}

各種治療法を検討したうえで、治療法を選択していただきます。
顔面けいれんは、それだけでは命に関係するものではありません。しかしながら、強い顔面けいれんに悩まされている人にとっては、日常生活そのものが苦痛であり、すぐにでも何とかして欲しいとの要望が出されます。手術では、時に生命に影響する可能性がありますので、十分にご家族の方々ともご相談なさってください。

圧迫血管を動かすことに高い危険性を有する場合には、無理が出来ません。症状が軽快しない場合や再発の場合には、手術以外の治療法との組み合わせも検討する必要があります。

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